子宮頚がんワクチン(HPVワクチン)は、女性にとって将来の子宮頚がん予防に重要なワクチンです。
女性だけでなく、男性も接種するメリット(女性にHPVを感染させない・コンジローマ予防)があります。
国内では、HPVワクチンは副作用が問題視された時代もありましたが、現在ではきちんとデータが見直され、安全なワクチンとして、接種率が年々高まっています。
HPVとは、ヒトパピローマウイルス (Human papillomavirus) の略称です
感染すると、子宮頚がんを発症するリスクが高まります
HPVは怖いウィルスで、子宮頚がんを引き起こすだけではなく、口の中のがん(主に中咽頭がん)を引き起こす原因となっています。
子宮頚がんワクチン(HPVワクチン)の種類│ガーダシル・サーバリックス
子宮頚がんワクチン(HPVワクチン)には、『ガーダシル』と『サーバリックス』という2つの種類があります。
ガーダシルは、『4価ワクチン』であり、4つの型のウィルス感染を予防できます。
サーバリックスは、『2価ワクチン』であり、2つの型のウィルス感染を予防できます。
- ガーダシル
- サーバリックス
ガーダシルもサーバリックスも、いずれも2006年の同時期に発売されました。
ガーダシル vs サーバリックス 比較
- 子宮頚がんの予防効果は同等
- 尖圭コンジローマも予防できるのはガーダシル
子宮頚がん予防の観点からは、大切なのはHPV16,18型を予防することです。
- ガーダシルは、6, 11, 16, 18 を防ぎます。
- サーバリックスは、16, 18 を防ぎます。
ガーダシルの方が、2価多いため、その分カバーする範囲が広いワクチンとなっています。
子宮頚がんを制御する効果は、同等と考えられています。
しかし、HPV 6,11型が原因である『 尖圭(せんけい)コンジローマ』の予防には、ガーダシルの方が有利と考えれています。
HPV感染は、中咽頭がんのリスクになる
HPV 16型に感染すると、中咽頭がんのリスクになります。
中咽頭がんは、HPVと関連がない場合よりも関連がある方が、重症化しやすいです。
HPV感染後にHPVワクチンを打つと、再発率がさがる
尖圭コンジローマの治療後に、HPVワクチンを打つと再発率が下がることが報告されています。
HPVワクチンは安全であることが世界的に証明済み
HPVワクチンの安全性については、下記の3つの調査より、『HPVワクチンは安全である』とされています。
- 世界保険機関(WHO)
- アメリカ疾病予防管理センター (CDC)
- 厚生労働省(日本)
CDCの報告では、2006年に米国でガーダシルが承認され、それ以降、数百万人の女性がガーダシルを接種し、大きな副作用はないと結論づけられています。
厚生労働省の2014年に発表された疫学調査の報告では、接種後の副作用の報告はほとんどなく、安全性が確認されています。
さらに、2017年、総合的なレビューが発表され、HPVワクチンの安全性が再確認されました。