ピロリ菌の除菌を行っています。
ピロリ菌は、『胃がん』『胃潰瘍』『十二指腸潰瘍』『慢性胃炎』の原因になります。
希望される方は、一度お電話にてご連絡ください。
ピロリ菌の検査を省略して、除菌のみ行うものです。
除菌率は、約80-90%です。
注意点│
・ワーファリン内服中にピロリ菌の除菌を行うと、ワーファリンの濃度が高まり、出血しやすくなります。
・ピロリ菌の除菌中は、コーヒーを飲んではいけません。
・除菌に成功しても、1年後に少ない確率(約 1%)で、ピロリ菌が再度、陽性になることがあります。
ピロリ菌の検査
- 尿素呼気試験(息を吐く)
- 血液検査(抗体を測定)
- 検便(糞便中抗原検査)
- 胃カメラ(迅速ウレアーゼ試験、組織鏡検査、培養法)
保険診療では、胃カメラをやらないと、ピロリ除菌の治療ができません。
胃カメラがつらいと感じる方には、自費診療で除菌を行っています。
除菌の方法
抗生剤3種類を7日間飲みます。
きちんと飲みきれば、除菌率は約 80 – 90 % です。
ピロリ菌の治療
- 1次治療 → 除菌率 約 80 – 90 %
- 2次治療 → 除菌率 ほぼ 100 %
保険診療でのピロリ菌の除菌治療
- 1次除菌
・クラリスロマイシン
・アモキシシリン
・タケキャブ
(ボノサップパック400)
- 2次除菌
・メトロニダゾール
・アモキシシリン
・タケキャブ
(ボノピオンパック)
- 3次除菌
・自費診療
ピロリ菌の除菌の治療量
1日量:
- クラリスロマイシン 400 mg
- アモキシシリン 1500 mg
- タケキャブ 40 mg
上記を7日間 内服
1日量:
- メトロニダゾール 1000mg
- アモキシシリン 1500 mg
- タケキャブ 40 mg
上記を7日間 内服
『胃カメラをしないピロリ菌の除菌治療』のデメリット
- 一次治療が効くピロリ菌か、あらかじめわからない
- そもそもピロリ菌がいない可能性がある
一次治療が効かなかった場合は、『薬が効きにくいピロリ菌』ということになります。
これは『クラリスロマイシンが効かないピロリ菌』という意味です。
その場合は、メトロニダゾールという治療を使用します。
そもそも、一次治療が無効の時、二次治療でメトロニダゾールが使用されます。
ですので、胃カメラを行った場合、はじめからメトロニダゾールで治療を開始(二次治療で治療開始)となるかもしれません。
おなかの症状に対して、自費治療でピロリ菌除菌を行う場合は、一次治療をまず行います。
それでも症状が残る場合は、二次治療を行います。
ピロリ菌の除菌と保険適応の歴史
2000年に、ピロリ菌除菌の一次除菌治療が保険適応となり、2007年に二次除菌が保険適応となりました。
二次除菌を行えば、ほぼ 100% ピロリ菌を除菌できます。
しかし、飲み忘れた場合は、ピロリ菌が残る場合があります。
現在でも、ピロリ菌の三次除菌は、自費診療となっています。
ピロリ菌の除菌にタケキャブが選択される理由
ピロリ菌の除菌には、他の胃薬(=PPI)よりも、タケキャブの方が除菌率が優れていることが証明されています。
また、クラリスロマイシンに耐性があるピロリ菌の場合でも、タケキャブを使用することで、胃酸が強く抑制され、アモキシシリンの濃度が高まり、ピロリ菌の除菌率が高まります。
参考│
・Hu, Novel and effective therapeutic regimens for Helicobacter pylori in an era of increasing antibiotic resistance. Front Cell Infect Microbil 2017; 7: 168
胃カメラで『ピロリ菌がいない』と診断される場合│偽陰性の原因
胃カメラでピロリ菌を診断する場合(特に、胃カメラによる迅速ウレアーゼ試験 の場合)、下記の理由で偽陰性となることがあります。
- 抗菌薬 を内服中
- タケキャブ を内服中
- タケキャブに似た胃薬(=PPI)を内服中
胃カメラの精度を高めるには、胃薬の休薬が望ましいです。
その間の症状がつらい場合は、自費で一次治療を行った後に、胃カメラを行い、二次治療を行うことも選択肢のひとつです。
参考│
・村田, 10 ピロリ菌検査, 消化器ナーシング 28(10): 962-967, 2023