コレステロールや中性脂肪が高いことを『高脂血症(こうし・けつしょう)』といいます。
コレステロールは、悪玉と善玉があり、特に悪玉を下げることが重要です。
善玉を上げるよりも悪玉を下げる方が効果的であり、かつ薬の種類が多いので、コレステロールの治療は『悪玉コレステロールを下げる治療』とも言えます。
コレステロールや中性脂肪は、高い値であっても無症状です。
ただ、これらの値が高いと、脳や心臓の血管が詰まる病気になったりします。
中性脂肪が高すぎる場合は、膵炎(すいえん)の原因になったりします。
- 心臓の血管が詰まりやすい(心筋梗塞)
- 脳の血管が詰まりやすい(脳梗塞)
- 膵炎(すいえん)を起こしやすい
現代社会において、ストレスの原因は、究極的には『人間関係』と『健康』の2つです。
『人間関係』は、マインドと工夫次第で、ある程度は克服できます。
『健康』は、人生100年時代で最も大切なコンテンツであり、自分の意識次第で維持できるものです。
一度きりの人生を健やかに豊かに生活するために、高脂血症のような『無症状のリスク』に対策していくことは大変意味が大きいです。
メリット・デメリットを医師によく確認して、納得して治療を開始しましょう。
コレステロールと中性脂肪の目標値
- LDLコレステロール ⇛ 120mg/dL未満
(脳・心臓の病気の場合は 100mg/dL未満) - HDLコレステロール ⇛ 40mg/dL以上
- 中性脂肪 ⇛ 空腹時 150mg/dL未満
コレステロールが高い時の食事療法
- 青魚(サバ・さんま・いわし)
- 野菜
- 大豆(納豆・豆腐・こんにゃく)
- 飽和脂肪酸
- 脂質の多い牛脂・ラード
- 乳製品(バター・牛乳)
- 臓物類・レバー
- 卵
中性脂肪が高い時の食事療法
- お酒・アルコール
- 炭水化物(低めに抑える)
悪玉コレステロールを下げる薬
- リピトール(アトルバスタチン)
- リバロ(ピタバスタチン)
- クレストール(ロスバスタチン)
- ゼチーア
- メバロチン・リポバス・ローコール
コレステロール治療の代表的な薬は、『アトルバスタチン』『ピタバスタチン』『ロスバスタチン』といった『スタチン系』です。
悪玉コレステロール(LDL)が 200近くある人でも、スタチン系のお薬を飲むと、LDLが100台前半か、100未満までグッと下がることが多いです。
LDLコレステロール値が下がると、薬の飲むことをついついやめたくなりますが、やめるとすぐに元のLDLの値に戻ります。
中性脂肪を下げる薬
- ベザトール(ベザフィブラート)
- リピディル(フェノフィブラート)
- パルモディア(ペマフィブラート)
- エパデール・イコサペント酸・ロトリガ・EPA
- ユベラ(ビタミンE・ニコチン酸)
中性脂肪を下げる代表的な薬は、『ベザフィブラート』『フェノフィブラート』です。
これらの薬は、薬の値段も安く、継続しやすい薬です。
しかし、透析中の人には使えなかったり、他の薬の飲み合わせが心配な場合は、他の薬を選択します。
透析中の人がベザフィブラート・フェノフィブラートを飲むと『横紋筋融解症(おうもんきん・ゆうかいしょう)』と言って、筋肉が破壊されることがあるため飲めません。
『パルモディア』は、飲み合わせの心配は少ないですが、薬の値段がやや高いです。
中性脂肪を下げる効果は強いため、あまりにも値が高い場合は、勧められます。
魚の油がたっぷり入った『EPA製剤(ロトリガ・エパデール・イコサペント酸)』は、サプリでも発売している成分で安全性が高いです。
中性脂肪を下げるだけなく、血管を詰まりにくくするため、健康に良いです。
アンチエイジング効果のある『ビタミンE 』であるユベラも、中性脂肪を下げる働きがあります。ビタミンなので、安全に飲むことができます。