コレステロールと中性脂肪│診断と治療

コレステロールや中性脂肪が高いことを『高脂血症(こうし・けつしょう)』といいます。

コレステロールは、悪玉と善玉があり、特に悪玉を下げることが重要です。

善玉を上げるよりも悪玉を下げる方が効果的であり、かつ薬の種類が多いので、コレステロールの治療は『悪玉コレステロールを下げる治療』とも言えます。

 

コレステロール値は、異常に高くても、無症状です

コレステロールや中性脂肪は、高い値であっても無症状です。

ただ、これらの値が高いと、脳や心臓の血管が詰まる病気になったりします。

中性脂肪が高すぎる場合は、膵炎(すいえん)の原因になったりします。

  1. 心臓の血管が詰まりやすい(心筋梗塞)
  2. 脳の血管が詰まりやすい(脳梗塞)
  3. 膵炎(すいえん)を起こしやすい

 

現代社会において、ストレスの原因は、究極的には『人間関係』と『健康』の2つです。

『人間関係』は、マインドと工夫次第で、ある程度は克服できます。

『健康』は、人生100年時代で最も大切なコンテンツであり、自分の意識次第で維持できるものです。

一度きりの人生を健やかに豊かに生活するために、高脂血症のような『無症状のリスク』に対策していくことは大変意味が大きいです。

メリット・デメリットを医師によく確認して、納得して治療を開始しましょう。

 

コレステロールと中性脂肪の目標値

  • LDLコレステロール ⇛ 120mg/dL未満
    (脳・心臓の病気の場合は 100mg/dL未満)
  • HDLコレステロール ⇛ 40mg/dL以上
  • 中性脂肪 ⇛ 空腹時 150mg/dL未満

 

コレステロールが高い時の食事療法

  1. 青魚(サバ・さんま・いわし)
  2. 野菜
  3. 大豆(納豆・豆腐・こんにゃく)
  1. 飽和脂肪酸
  2. 脂質の多い牛脂・ラード
  3. 乳製品(バター・牛乳)
  4. 臓物類・レバー

 

中性脂肪が高い時の食事療法

  1. お酒・アルコール
  2. 炭水化物(低めに抑える)

 

悪玉コレステロールを下げる薬

  1. リピトール(アトルバスタチン)
  2. リバロ(ピタバスタチン)
  3. クレストール(ロスバスタチン)
  4. ゼチーア
  5. メバロチン・リポバス・ローコール

コレステロール治療の代表的な薬は、『アトルバスタチン』『ピタバスタチン』『ロスバスタチン』といった『スタチン系』です。

悪玉コレステロール(LDL)が 200近くある人でも、スタチン系のお薬を飲むと、LDLが100台前半か、100未満までグッと下がることが多いです。

LDLコレステロール値が下がると、薬の飲むことをついついやめたくなりますが、やめるとすぐに元のLDLの値に戻ります。

 

中性脂肪を下げる薬

  1. ベザトール(ベザフィブラート)
  2. リピディル(フェノフィブラート)
  3. パルモディア(ペマフィブラート)
  4. エパデール・イコサペント酸・ロトリガ・EPA
  5. ユベラ(ビタミンE・ニコチン酸)

中性脂肪を下げる代表的な薬は、『ベザフィブラート』『フェノフィブラート』です。

これらの薬は、薬の値段も安く、継続しやすい薬です。

しかし、透析中の人には使えなかったり、他の薬の飲み合わせが心配な場合は、他の薬を選択します。

透析中にベザフィブラート・フェノフィブラートを飲むと、筋肉が溶けてしまうことがあります

透析中の人がベザフィブラート・フェノフィブラートを飲むと『横紋筋融解症(おうもんきん・ゆうかいしょう)』と言って、筋肉が破壊されることがあるため飲めません。

 

パルモディア』は、飲み合わせの心配は少ないですが、薬の値段がやや高いです。

中性脂肪を下げる効果は強いため、あまりにも値が高い場合は、勧められます。

 

魚の油がたっぷり入った『EPA製剤(ロトリガ・エパデール・イコサペント酸)』は、サプリでも発売している成分で安全性が高いです。

中性脂肪を下げるだけなく、血管を詰まりにくくするため、健康に良いです。

 

アンチエイジング効果のある『ビタミンE 』であるユベラも、中性脂肪を下げる働きがあります。ビタミンなので、安全に飲むことができます。