【川崎病の初期症状を見逃さないように】こどもの首の腫れ

子どもで首のリンパ節が腫れることがあります。

こどもの首が腫れた場合、多くは『何らかの感染症』です。

大げさな感染症や特別な菌によるものではなく、ただの風邪で首が腫れることが多いです。

しかし、中には『川崎病』のような『きちんとした治療』が必要な病気の場合もあります。

 

リンパ節が腫れる病気(小児)

  1. 正常の範囲内で少し腫れている
  2. 小児がん(悪性リンパ腫・白血病)
  3. 感染症
  4. 免疫の病気

子どものリンパ節が腫れた時に、最も怖い病気は、悪性リンパ腫などの『小児がん』です。

ただ、その確率(頻度)は低く、まず第一に考えるものではありません。

『子どものリンパ節の腫れ』で最も多い原因は、『正常の範囲内で少し腫れている』というものです。

リンパ節のサイズは、個人差が大きいため、気になる程の大きさであっても、『正常の範囲内』のことが多いです。

感染症だった場合は、耳・鼻・ノド・口の中の、バイ菌・ウィルスによるものをまず考えます。

首が腫れた時にあり得る病気一覧│医師向け内容

首が腫れた時にあり得る病気

1.頸部リンパ節腫脹
1)感染
反応性リンパ節炎
中耳炎,鼻副鼻腔炎,扁桃炎などの上気道感染に伴うもの,歯禺歯など歯科口腔領域疾患に伴うものなど
細菌感染:レンサ球菌,ブドウ球菌,猫ひっかき病など
:ウイルス感染:EBV,麻疹,風疹,ムンプス,CMVなど
:その他:トキソプラズマなどの原虫感染ヒストプラスマなどの真菌感染など

2)悪性疾患
悪性リンパ腫,白血病,悪性腫瘍のリンパ節転移など

3)その他:川崎病,lgG4関連疾患など

 

2.頸部膿瘍
顎下間隙などのリンパ節膿瘍,副咽頭間隙膿瘍など

3.先天性疾患
鯉弓性や脈管奇形など
正中頸嚢胞,側頸嚢胞,先天性梨状陥凹痩などの特に感染時, リンパ管腫や血管腫などの脈管系奇形,奇形腫など

4,自己免疫性疾患
自己免疫性リンパ増殖症候群(ALPS),好中球減少症シェーグレン症候群甲状腺機能充進症など

5,腫瘍性病変
神経芽腫横紋筋肉腫,ランゲルハンス組織球症甲状腺腫瘍など

6.その他
ガマ腫(粘液嚢胞),特発性もしくは遺伝性血管性浮腫,筋性斜頸など

有本, 小児にみられる頸部腫脹, MB ENTONI (242): 56-64, 2020

 

首が腫れた時に1番多いのは『カゼ』と『個人差』

1番多いのは、『耳・ノド・口の中の感染症』と『ちょっと大きいけど正常のリンパ節』のパターンです

首が腫れたときは、結局、風邪にかかっていることが多いです。

また、風邪の症状がない場合は、正常なリンパ節がちょっと大きい『個人差』であることも多いです。

つまり、特殊な病気のことの方が少ないです。

しかし、ただの風邪と思っていても、ときどき『川崎病』のような免疫の病気や、『悪性リンパ腫』などの小児がんが混ざっているため、病院の受診が望ましいです。

 

『触って痛いしこり』は、ガンじゃない

しこりを触って痛い場合は、なにかの感染症のことが多いです

『痛いしこり』は、バイ菌やウィルスの感染症を考えます。

つまり、そのしこりはガンじゃないです。

怖いのは『触っても痛くない大きなしこり』です。

そして、そのしこりがガチガチに固くてどんどん大きくなる場合は、がんの可能性を強く疑い、全体像の把握や、しこりが何かを診断するために、MRI検査やCT検査が必要になります。

 

『悪性リンパ腫』『小児がん』を疑う腫れ

  1. 大きい
  2. がっちりと固い
  3. 塊が動かない
  4. 痛みがない

大きくて、がっちり固くて、動かない腫れは、悪性の腫瘍の可能性があります。

また、『リンパ腫』や『がん』などの『悪性の腫瘍』は、ぐいぐい押しても痛くありません。

これらのガンの特徴は、子どもも大人も同じです。

 

脇の下(わきのした)が腫れる場合

脇の下が腫れる場合も、感染症の可能性が高いですが、『猫ひっかき病』のように特殊な病気だったりする場合があります。

1番怖いのは、やはり『悪性リンパ腫』です。

子どもでどこかが腫れたら、まず『悪性リンパ腫』の除外が必要です。

免疫の病気の場合は、『川崎病』『BCGリンパ節炎』に注意が必要です。

 

参考:

医師が解説する『猫ひっかき病』⇛(https://sato-nou.com/neko-kousyou

 

わきの下のリンパ節が腫れる病気

  • 化膿性リンパ節炎
  • 伝染性単核球症
  • BCGリンパ節炎
  • 猫ひっかき病
  • 悪性リンパ腫
  • 川崎病

山本, 腋窩リンパ節腫脹で発症した川崎病の1例, 小児科臨床 74(1): 87-91, 2021