新型コロナウィルスの治療薬は、今までファビピラビル(アビガン)、レムデジビル、イベルメクチン、などが言われてきました。
2021年1月、有名な医学雑誌『JAMA』に、新しいコロナ治療のデータが発表されました。
新しい治療は、『バムラニビマブ』と『エテセビマブ』の併用療法です。
副作用が少なく、軽症の新型コロナウィルス感染症に使われることになりそうです。
今後は、軽症の感染者は、この治療を受けてから自宅待機をすることが標準的になるかもしれません。
新型コロナウィルス感染症の治療で、新しい抗体製剤が開発│『バムラニビマブ』と『エテセビマブ』
新型コロナウィルス感染症の新しい治療方法が開発されました。
それは『抗体治療』です。
使用する抗体製剤は、『バムラニビマブ』と『エテセビマブ』と言います。
2つの抗体製剤を組み合わせることで、体内の新型コロナウィルスの量を減らすことに成功しています。
これらの製剤は、米国イーライリリー社が開発しました。
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製剤名『バムラニビマブ』と『エテセビマブ』の名前の由来
- 2つの抗体製剤の名前は、『バムラニビマブ』と『エテセビマブ』です。
英語では、『Bamlanivimab』と『Etesevimab』と言います。
『-mab(マブ)』という語尾は、『抗体製剤:monoclonal antibody(モノクローナル抗体)』を意味しています。
抗体治療の新型コロナウィルスへの効果
入院しない程度の新型コロナウィルス感染症(軽症 – 中等症)であれば、『バムラニビマブ』と『エテセビマブ』の併用治療は効果的です。
有名な医学雑誌(JAMA)に掲載されたデータでは、『投与11日目のウィルス量が減った』と報告されました。
抗体治療の効果
バムラニビマブとエテセビマブの併用療法で、11日目のSRAS-CoV-2(新型コロナウィルス)のウイルス量は、統計的に有意に減少した.
Gottlieb RL, Effect of Bamlanivimab as Monotherapy or in Combination With Etesevimab on Viral Load in Patients With Mild to Moderate COVID-19: A Randomized Clinical Trial. JAMA. 2021 Jan 21
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治療期間の目安
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11日目に新型コロナのウィルス量が減ります
11日目に、体内のコロナウィルスの量が減ったとの報告があります。
抗体治療の副作用│『バムラニビマブ』と『エテセビマブ』
『バムラニビマブ』と『エテセビマブ』の抗体併用療法の主な副作用は、『吐き気』です。
『吐き気』の副作用は、それ程多くなく、確率は 5% 程度です。
抗体製剤の点滴中に、『アレルギー反応』が起こるかもしれませんが、あったとしても基本的には軽い症状で治まります。
併用療法で頻度の多い副作用
- 吐き気(3.6%)
- 下痢(0.9%)
- アレルギー(1.7%)
アレルギー反応は、用量に関係なく、点滴中に発生した.
バイタルサインや症状に変化はなかった.
Gottlieb RL, Effect of Bamlanivimab as Monotherapy or in Combination With Etesevimab on Viral Load in Patients With Mild to Moderate COVID-19: A Randomized Clinical Trial. JAMA. 2021 Jan 21
まとめ:抗体治療は副作用が少なく、コロナに効果的
新しい抗体治療は、新型コロナウィルス感染症に効果的です。
軽症例で有効とのデータが出たことで、軽症者はこの治療を行ってから自宅待機になるかもしれません。
一刻も早いウィルスの沈静化を願っています。