胸郭出口症候群の診断・治療

胸郭出口症候群は、肩から腕の神経が圧迫されることで、慢性的な肩こり・腕や手の痛みしびれ・胸の痛み、などが継続する病気です。

圧迫される神経は、『腕神経叢(わん・しんけいそう)』という神経の束です。

 

胸郭出口症候群で神経圧迫されている箇所

鎖骨付近で神経が圧迫されているイメージです

鎖骨付近で神経が圧迫されていると考えてください。

実際の神経の圧迫箇所│医師向け内容

 

  1. 斜角筋間隙
  2. 肋鎖間隙
  3. 小胸筋付着部

最も多い圧迫箇所は、『斜角筋間隙』です。

斜角筋間隙は、前斜角筋・中斜角筋・第1肋骨で囲まれたエリアです。

 

胸郭出口症候群の原因

  1. 原因不明
  2. 外傷型

胸郭出口症候群は、外傷型もありますが、原因不明が多いです。

外傷型の場合は、後方からの車の追突による頻度が高いことが知られています。

胸郭出口症候群は、神経を圧迫するタイプが最多

胸郭出口症候群のタイプ分類:

  • 神経型 95%
  • 動脈型 1%未満
  • 静脈型 2-3%

Sanders RJ. Thoracic outlet syndrome : a review. Neurologist 2008;14:365-73

 

胸郭出口症候群の診断

  1. Morley test
  2. Roos test
  3. Eden test
  4. Wright test

診断目的に、腕神経叢ブロックを行うこともあります。

 

 

胸郭出口症候群の治療

  1. リハビリ
  2. 手術

手術は、神経を圧迫している構造物を取り除く手術を行います。

どの構造物が神経圧迫しているかによって手術が異なります。

たいていは、骨か筋肉を切る手術が行われます。

 

胸郭出口症候群の手術

  1. 前斜角筋
  2. 中斜角筋
  3. 第1肋骨
  4. 鎖骨

手術のタイミングは、腕が廃用して使えなくなる前に行うのが望ましいです。

診断がつきにくい病気ですが、早く手術を行う方がその後の経過が良いです。