パーキンソン病は、動きが遅い、手が震える、などの『動きがおかしい』という症状を自覚して病院を受診されます。
しかし、実際には、いろいろな症状があります。
パーキンソン病の症状
- 動作が緩慢・動きが遅い(無動)
- 手足が固い(固縮)
- 手が震える(安静時振戦)
- よく転ぶ(姿勢反射障害)
- 一歩目が出にくい
- 首が下がる(頭の位置が低くなる)
- 普通に立つと、顔が前に出ている
- 肩がすくむ
- 姿勢が悪い(前かがみ)
- ひどい便秘
- 幻覚が見える
- 足がむずむずする
- 寝言を言う
- 匂いがしない
- もの忘れ
パーキンソン病と同じ症状をきたす病気は他にもあります。
それらをひとまとめにして、『パーキンソン症候群』と言います。
しかし、パーキンソン病は薬が効きやすいのに対して、パーキンソン症候群は薬が効きにくいです。
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パーキンソン病の4大症状│パーキンソン病患者さん向け
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パーキンソン病には、主に4つの症状があります。
- 無動 (むどう:動きが遅い)
- 固縮 (こしゅく:手足が固い)
- 安静時振戦 (あんせいじ・しんせん:手が震える)
- 姿勢反射障害 (しせいはんしゃ・しょうがい;よく転ぶ)
この中でパーキンソン病を特徴づけるのは、『固縮』です。
お医者さんは、パーキンソン病かどうかを手足の固さで判断します。
ですので、手足をよく触ります。
治療の効果も、手足がやわらかくなったかどうかで判断します。
首が下がることもパーキンソン病の特徴です。
首が下がるとパーキンソン病の可能性あり
- パーキンソン病の首下がり合併率は、0.4 – 6%
- 首下がり症状の 7.7% は、パーキンソン病を合併
- 首下がり症状を契機にパーキンソン病が見つかった症例 1.8%
- 加齢性の首下がりよりも、パーキンソン病の首下がりの方が、頚椎後弯の程度が高度
遠藤, パーキンソン病を合併した首下がり症候群, Journal of Spine Research 14(5): 767-772, 2023
パーキンソン症候群の診断
パーキンソン症候群の種類
- 薬剤性
- 脳血管性
- 中毒性
- 外傷性
- 進行性核上性麻痺(PSP)
- 多系統萎縮症(MSA)
- 大脳皮質基底核症候群(CBS)
- 前頭側頭型認知症(FTD)
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
松浦, 鑑別診断 パーキンソン病と鑑別すべき変性疾患, 日本臨牀 81(8): 1170-1178, 2023
パーキンソン症候群は 薬が効かない
パーキンソン症候群は、パーキンソン病と比べて、薬があまり効きません(でも、薬を飲まないよりは飲んだ方がまだいいです)。
ですので、薬が効きやすい病気なのかどうかは、きちんと区別する必要があります。