脳動脈瘤がある場合、腹腔鏡の手術は原則できません
腹腔鏡手術は、脳動脈瘤がある場合は、推奨されていません。
なぜなら、腹腔鏡手術は、脳内の圧力が上がり、脳の血流が不安定になるため、脳動脈瘤の破裂のリスクが高まるからです。
ただ、脳動脈瘤にも大きいものから、小さいもの、中には極小の脳動脈瘤までさまざまなので、一度、専門の先生の話を聞いて、医療機関同士で連携をとってもらうようにしましょう。
腹腔鏡手術が、脳に与える影響は?
- 脳動脈瘤が破裂しやすくなる
- 脳出血が起こりやすくなる
- 脳梗塞が起こりやすく鳴る
腹腔鏡手術は、『おなかの手術』ですが、脳の血管の病気を手術中に起こしやすいと言われています。
最も有名なものは、『脳動脈瘤』です。
腹腔鏡手術は、頭を下げることが多く、お腹に空気を入れるために、脳と眼の圧力が高くなります。
お腹の空気を入れる理由は、腹腔鏡カメラを入れるスペースを作るためです。
- 頭を下げる → 頭と眼の圧力が高くなる
- お腹に空気を入れる(気腹) → 頭と眼の圧力が高くなる
その結果、脳動脈瘤の破裂、脳からの出血、が起こりやすいくなり、また血流不足により脳梗塞も起こりやすくなります。
文献的な記載はありませんが、脳梗塞と脳出血が起こりやすい『もやもや病』も腹腔鏡手術と相性が良くないことになります。
腹腔鏡手術は、頭蓋内圧や眼圧が上昇する
頭低位での横隔膜挙上と気腹時に使用される二酸化炭素により、高二酸化炭素血症となりやすい.
血中二酸化炭素濃度の上昇は、頭蓋内圧や眼圧の上昇の原因となる.
内田, 腹腔鏡下肝切除手術の麻酔管理, 日本臨床麻酔学会誌 39(1): 63-66, 2019
腹腔鏡手術は、目の病気『緑内障』と相性が良くない
腹腔鏡手術は、緑内障がある場合は、原則できません
腹腔鏡手術は、頭を下げ、気腹するために、眼の圧力も高くなります。
緑内障は、眼の圧力が高くなる病気です。
ですので、腹腔鏡手術とは相性は良くなく、基本的には開腹手術を選択される場合が多いです。