ふるえ外来

ふるえには、手足のふるえや、顔のふるえ、首のふるえ、などがあります。

それぞれ原因があったり治療が違います。

ベストな治療法を見つけて快適な生活を送れるにようサポートします。

 

ふるえの原因

何かしている時に震えるか、何もしていないときに震えるか、で大きく違います。

 

本態性振戦

何かしている時に手がふるえる場合、『本態性振戦(ほんたいせい・しんせん)』のことが多いです。

本態性振戦の手のふるえは、両手のこともありますし、片手だけのこともあります。

手は比較的速くふるえます。

また、首が横に揺れる場合もあります。

本態性振戦のふるえは、お酒・アルコールで改善し、ストレスや疲れ・カフェイン・コーヒーを飲むと震えが強くなります。

家族に似たようなふるえの人がいることも多いです。

治療は、心臓の脈を抑える薬だったり、てんかんの薬、メンタルを落ち着かせる薬などが使用されます。

処方する先生によって、治療方針が違いますが、全国的には、

 

  • 心臓の脈を抑える薬(アロチノロール)
  • てんかんの薬(リボトリール)

 

の2つが本態性振戦の治療で最も多いパターンです。

  1. アロチノロール
  2. プリミドン
  3. リボトリール(ランドセン・クロナゼパム)
  4. ジアゼパム(セルシン・ホリゾン)
  5. アーテン(トリヘキシフェニジル)

これらの治療薬が無効のときは、FUS治療(MRガイド下集束超音波治療)やDBS(脳深部刺激療法)が行われます。

FUS治療は、MRIの中に入って超音波を脳に当てて、脳の一部を破壊する治療です。

DBSは、脳の一部を外科的に破壊したり、脳に電極を入れたりする手術です。

 

参考│
・日本神経治療学会, 標準的神経治療:本態性振戦

・古和, 本態性振戦の治療に関する全国アンケート調査結果報告, 神経治療学 36(6): S241-S241, 2019

 

パーキンソン病

他のことに集中している安静の時にふるえる場合は、『パーキンソン病』かもしれません。

パーキンソン病の手のふるえはゆっくりであるため、『手がふるえる』というよりも『手が横に揺れる』という言い方をする患者さんも多いです。

進行すると、親指と人差し指で、粘土をこねるようにする患者さんもいます。

パーキンソン病は、薬による治療と手術があります。

また、ふるえが主な症状の場合は、本態性振戦と同様にFUS治療が適応となることもあります。

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薬の副作用による手のふるえ

パーキンソン病の治療薬と胃薬の副作用で、手がふるえることがあります。

パーキンソン病の治療薬では、マドパー・ネオドパストン、です。

胃薬では、スルピリド・ドグマチール、に注意です。

 

小脳の病気

小脳は、身体の動きを微調整する機能があります。

小脳が壊れても、手の震えが出ます。

小脳の病気には、小脳の脳梗塞や脳出血、脳腫瘍などの他に、脊髄小脳変性症などの国の指定難病などもあります。

 

甲状腺の病気

甲状腺ホルモンが異常に高くても、手のふるえを来します。

その中でも、甲状腺機能が高くなるバセドウ病が有名です。

 

字を書く時にふるえる書痙(しょけい)

字を書く時のみふるえる病気を『書痙(しょけい)』と言います。

治療は、ボトックス治療が最も効果的ですが、日本では保険適応がありません。

ですので、実際は、飲み薬(アーテン)による治療が行われることが多いです。

 

参考│
・日本神経学会, ジストニア診療ガイドライン2018

 

職業性ジストニア

勤務中、ある作業のときのみ手がふるえる場合は、『職業性ジストニア』の可能性があります。

書痙、音楽家ジストニア、も職業性ジストニアの仲間です。

多い職業としては、音楽家、スポーツ選手、専門職の職人、のように細かいコントロールが必要な職業の人が多いです。

 

音楽家ジストニア

音楽をやっている人が手を動かしにくくなります。

治療は、リハビリ、薬、ボトックス、手術があります。

薬は効きにくいことが多いです。