“首筋から後頭部が痛い” “肩こり” を放置せずに自分の命を自分で守ろう

『首筋から後頭部が痛い』で、1番怖い病気は、『椎骨動脈解離(ついこつ・どうみゃく・かいり)』です。

肩こりや頭痛の診療をしていますと、遭遇する頻度がとても多い病気のように思いますが、一般にはあまり知られていません。

この病気を発症すると、突然、首が痛くなることもあれば、じんわり痛くなることもあります。

肩こりと自覚して受診しても、実は『椎骨動脈解離』だったこともあります。

この病気の怖いところは、診察だけではわからないということです。

逆に、画像検査を行うことで、病気を見つけることができます。

 

突然の “首筋から後頭部が痛い頭痛” は危ない

  • 血管の重大なトラブルの事があります
  • 1番見落としてはいけないものは、『椎骨動脈解離』
  • 『椎骨動脈解離』は、血管が裂ける病気です

治療の前に、怖い病気だけは除外が必要です。

「首の後ろが突然痛くなった」は、危ない病気の可能性があります。

 

じわじわ痛くなることもある

突然痛くなれば「怖い病気かもしれない」と思いますが、この病気は、じわじわ痛くなることもあります。

 

肩こりだと思って来る人も多い

ただの肩こりだと思って来ると、「実は”椎骨動脈解離”だった!」ということはしばしばあります。

画像検査の上、本当に肩こりだったら、肩こり注射を実施していきます。

 

“椎骨動脈解離” が悪化すると “くも膜下出血”になる

椎骨動脈解離の怖さは、血管が裂けること自体ではありません。

血管が裂け切ってしまうと、血管の外に血が漏れ、頭の中で大出血します。

つまり、椎骨動脈解離が悪化すると、そのまま『くも膜下出血』になってしまうのです。

くも膜下出血の致死率は、だいたい30%程度ととても高いです。

過去の論文を見ても、世界中で大勢の方が、この病気で亡くなっています。

椎骨動脈解離はそれほどとても怖い病気です。

 

椎骨動脈解離の怖さは、”見た目ではわからない” こと

椎骨動脈解離があるかないかを、見た目だけで判断することはどのお医者さんでもできません。

普通の肩こり、首のこりと見分けがつきにくいことがほとんどです。

MRIを撮影して、

え、この人、解離だったの!?

というパターンも非常に多いです。こればかりは、画像を撮影しないとわかりません。

 

『首の痛み』で来院され、後日、『椎骨動脈解離』と診断された方です。

首の痛みとめまいで来院され、椎骨動脈解離の診断に至った症例

  • 本症例は、救急外来で夜勤帯が早朝に見て日勤帯に申し送られた
  • 申し送りでは「緊張性頭痛と良性発作性頭位めまい症」の疑いとされた
  • その後、さらなる精査で椎骨動脈解離と診断された
  • 夜勤帯では後頸部痛があることは認識はしていたが椎骨動脈解離は想起できなかった

O-106 第18回 日本病院総合診療医学会学術総会

このように、後からきちんとした検査を行って診断をつけられることが多いです。

それ程、見た目だけではわからないということです。

でも見た目だけでこの病気かどうかを推測する方法も一応あります

それは「何をやっている時に痛くなったか?」に注目することです。

 

「急に首を動かした時に痛くなった」は怖い

急に首を動かした時から痛みが継続する場合は、「椎骨動脈解離を起こしたかも?」と疑って診察します。

椎骨動脈解離の原因となる発症前の動作としては、過去に多くの研究報告があります。

椎骨動脈解離の原因として、

  • くしゃみ
  • ヨガ
  • カイロプラクティック(整体)

などがあります

Equilibriurn Res Vol.79(1)20~26,2020

今までも、『平泳ぎで頭を上げた時に痛くなった』や、『重たい荷物を肩に乗せた瞬間からずっと痛い』などいろいろな方が見えました。

もちろん、ただの筋肉痛や頚椎症が痛みの原因であることも多いです。

しかし、椎骨動脈解離が見逃された時のリスクはあまりにも大きすぎるのです。

 

椎骨動脈解離の医療機関の対応

  • 入院が望ましい(主治医の裁量による)
  • 治療は『安静』と『血圧管理』
  • 治療の目的は『くも膜下出血』の予防
  • 突然死することもある

入院か外来のどちらで追跡するかは、基本的に主治医の先生の裁量によります。

だいたいのルールは決まっていて、『2週間入院』のパターンが多いです。

入院中には、カテーテル検査を行う場合もありますし、ただ安静に寝るだけの入院のパターンもあります。

入院中の方針もケースバイケースです。

2週間程度経過すると、自然と安定化してきて退院となります。

 

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