脱毛のレーザーは、アレキアレキサンドライト・ダイオード・ヤグなどのロングパルスレーザーを使います。
シミ治療のレーザーは、Qスイッチレーザーを使います。
脱毛とシミ治療のレーザー治療は混同しがちですが、特徴と違いを知っていれば、さらに効率良くご自身に合ったレーザー治療を選択できます。
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結論:脱毛はロングパルスレーザー、シミ治療はQスイッチレーザー
- 脱毛用のレーザーは、照射時間が長い『ロングパルスレーザー』
- シミ用のレーザーは、照射時間が短い『Qスイッチレーザー』
照射時間によるレーザーの分類
レーザーの種類 | 照射時間 | 目的 |
ロングパルスレーザー | ミリ秒 | 脱毛 |
マイクロ秒レーザー | マイクロ秒 | (使われることが少ない) |
Qスイッチレーザー | ナノ秒 | シミ治療 |
ピコレーザー | ピコ秒 | 薄いシミ治療 |
脱毛用のロングパルスレーザーには、主に、アレキサンドライト・ヤグ・ダイオードの3種類があります。
アレキサンドライトが主流です。
しみ取り用のQスイッチレーザーは、主に、アレキサンドライト・ヤグ・ルビーの3種類があります。
脱毛とシミのレーザー治療の違いは照射時間
照射時間(レーザーを当てる時間)によって、脱毛効果か、シミ治療か、決まります。
シミ治療においては、メラニンの熱緩和時間(熱を当ててから回復するまでの時間)は非常に短いため、それよりもさらに照射時間を短くしなければいけないため、ナノ秒以下のレーザーを用いることになります。
熱緩和時間内での照射を可能とするのがメラニン顆粒に対してであればナノ秒単位の照射時間をもつQスイッチレーザーであり、メラニンを選択的に破壊する.
このためシミの治療に有効とされる.
エビデンスに基づく美容皮膚科治療, P70-76, 2019
目的に合わせたレーザー選択
脱毛レーザーは、照射時間の長いレーザーを選択
脱毛用のロングパルスレーザー(=照射時間の長いレーザー)は、下記の3種類の波長があります。
- アレキサンドライト
- ヤグ
- ダイオード
- IPL
それぞれ特徴がありますが、最も頻度の多い脱毛レーザーは、アレキサンドライトです。
一方で、Qスイッチ・ヤグもメリットがあります。
シミ治療には、照射時間の短いレーザーを選択
シミはメラニン色素の塊です。メラニン色素を効率良く砕くには、Qスイッチやピコレーザーなどの照射時間の短いレーザーを選択することが大切です。
- Qスイッチ(ナノ秒レーザー)
- ピコ (ピコ秒レーザー)
照射時間は、Qスイッチがナノ秒、ピコレーザーがピコ秒、といずれも短い単位です。
ピコレーザーの方が、Qスイッチよりも、照射時間が短く、薄いシミの治療には特に有利です。
シミ治療の主役は、Qスイッチレーザー(ナノ秒レーザー)
現在、シミの治療で最もよく使われる医療機器は、Qスイッチレーザーです。
Qスイッチレーザーは照射時間が短いため、『ナノ秒レーザー』とも言われています。
Qスイッチとは、『通常の脱毛レーザーの照射時間が短いものが、連射するイメージ』です。
照射時間が短いと、メラニンだけを狙ったレーザー治療が効率的にできるようになります。
シミ治療は、照射時間が長い脱毛レーザーでは上手にできず、照射時間が短いQスイッチレーザーで行います。
最近では、Qスイッチよりもさらに照射時間の短いピコレーザーも発売されています(ピコレーザーはとても高価な機械です)。
Qスイッチには、下記3種類があります。
- Qスイッチ・ルビー
- Qスイッチ・アレキサンドライト
- Qスイッチ・ヤグ
- Qスイッチレーザーは、現在、老人性色素斑(シミ)の治療に最もよく用いられている治療機器である。
- わが国では、ルビー 694nm と、アレキサンドライト 755nm 波長のレーザーが頻用される。
美容皮膚科BEAUTY #4 Vol.2 No.3,2019
一方で、Qスイッチ・ヤグもメリットがあります。
それは、『黒色』への反応が少なく、全顔に対して当てられるということです。
しみレーザーの種類は、波長×照射時間 で選ぶ
シミのレーザー治療の結論は、
Qスイッチかピコレーザーの2択
です。
表面は、アレキサンドライトレーザーが最適
波長が短い紫外線は、浅いところまでしか届きません。
波長が長い赤外線は、深いところまで届きます。
- 短い波長 – 浅い – アレキサンドライト、ダイオード
- 長い波長 – 深い – ヤグ
肌の表面に対する施術は、アレキサンドライトレーザーが代表的です。
肌が黒い人は、ヤグレーザーが最適
波長が短いアレキサンドライトを当てると、皮膚の『黒色』の部分が熱くなります。
脱毛目的であっても、アクキサンドライトレーザーですと、日焼けして肌が黒かったり、生まれつき肌が黒めの方は、熱を感じやすく、レーザー治療の出力(パワー)を上げにくいです。
その場合は、ヤグレーザーを使用します。
ヤグレーザーは、肌が黒い人でも熱くないですが、深いところまで届くのでその分痛いです
ヤグレーザーは、黒色には反応しにくいため、肌が黒くても熱さを感じにくいです。その代わり、深達度が深く、その点で痛みが強いと言われています。
メラニン色素は、産生した熱を周りによく散らかし、皮膚を傷害しますので、照射時間が短いレーザーを当てた方が熱の拡散が少ないのです。