【学校生活を快適に過ごすために】子供の頭痛に親がしてあげられること

子供から『頭がいたい』と訴えがあった時に、大切なのは、『適切な治療を求める家族の姿勢』と『お子さんの痛みを理解しようとする姿勢』です。

なぜなら、子どもの頭痛を治療するときは、予防薬が必要となることが多いからです。

また、お子さんは上手に自分の訴えを言えませんし、生活習慣も家族のサポートなしには変えられません

まれですが、脳腫瘍や生まれつきの奇形など、見逃してはいけない重大な病気があるということも大切です。

さらに、小児の頭痛は、特殊な頭痛のタイプもよく知っておく必要もあります。

結論:子供の頭痛の治療には『予防薬』と『生活習慣』が大切

子どもの頭痛は、繰り返す事が多く、その場合、予防薬が必要になります。

予防薬の提案がある医療機関は、頭痛治療の選択肢が広いと思います。

また、予防薬の提案をきちんと受けて、それぞれの薬のメリット・デメリットをよく聞いて、お医者さんと両親が、本人と一緒に考えていくチームの姿勢が大切です。

小児の頭痛は頻回に頭痛発作を認め、予防薬が必要になることは少なくない.

患児やご家族の不安を加味して治療薬を決定する.

日本頭痛学会誌; 45,1, 36-38; 2018

 

子供の頭痛は生活指導も重要

お子さんの頭痛の改善は、生活指導もとても大切です。

これらはご家族の協力なしには成立しません。

また、『お子さん本人が頭痛で困っている状況』をご家族の方が受け入れてあげる支持的な姿勢も、治療において力になります。

  • 睡眠時間を確保する
  • 規則正しい生活(早寝・早起き)
  • 朝ごはんをきちんと食べる
  • 朝に水分摂取をする
  • 日中の空腹を避ける
  • 適度な運動が良い
  • 寝る前に明るい液晶画面を見ない
    (スマホ、PC、テレビ、ゲーム)
  • 頭痛で困っているお子さんを受け入れる

1番大切なのは、睡眠時間を確保するということです。

また、日中の空腹を避けるということも意外と大事です。

昼ご飯(給食)直前の授業中での頭痛が多いと言われています。

朝食を十分にとる. 4時間目に頭痛になる子供がいる.

日本頭痛学会誌 46巻1号, 47-51

 

 

子どもの頭痛は、学校生活に支障が出る

「頭が痛いみたいで、学校は休ませました・・この子の頭は大丈夫でしょうか・・」

お父さんお母さんとしては、子供が頭痛で学校を休んだとなればとても大変ですし、心配なこととと思います。

子供でも頭痛の訴えをする子は多いです。

幼稚園児も頭痛の訴えがあったりします。

女の子は小学校2年生くらいから頭痛の訴えが増える

「こんなに小さい子なのに、頭痛するなんてあるんでしょうか・・?」

ご両親よりたびたび頭痛の発症年齢の質問を受けます。

女の子は小学校2年生くらいから、男の子は小学校4年生くらいから、頭痛の訴えが増えてきます。

多くは片頭痛の事が多いですが、脳腫瘍や奇形の除外のため、繰り返す頭痛には画像検査を必須としています。

  • 子供の頭痛も多い
  • 女の子の方が、頭痛が始まる年齢が早い
  • 女の子は小2から、男の子は小4から頭痛の訴えが増えてくる

 

子供の片頭痛の”痛い時に飲む薬”の正解は?

お子さんの片頭痛では、イブプロフェン(いわゆるイブ)が最良とされています。

また、鼻で吸うタイプの薬も良いとされています。

使用量は、担当医の先生とよくお話しして決めましょう。

小児片頭痛のグレードAの治療は下記の通り:

  • 小児片頭痛の急性期治療の第1選択薬として、イブプロフェンは最良の鎮痛作用
  • スマトリプタン点鼻薬が有効かつ安全
  • 錠剤では、リザトリプタンが有効かつ安全

慢性頭痛診療ガイドライン2013

『グレードAの治療』とは、『最も効果的』という解釈で良いです。

 

子供の頭痛は、”予防薬” が必要となることが多い

いわゆる片頭痛に適応のある薬を使いますが、予防薬はやや特殊なものも効きます。

少量からの投与なので、目立った副作用なく使用できる事がほとんどです。

『頭痛がひどくて学校に行けない』という状態であれば、メリットの方が多い治療と思います。

いずれの薬も副作用は『眠気』ですが、夜に飲む薬であるため、気にならない事が多いです。

  • てんかんの薬、花粉症の薬や、うつ病の薬がとても効く事が多いです

小児・思春期片頭痛の予防薬

  • 抗うつ薬(トリプタノール®)
  • ミグシス®
  • てんかん薬(バルプロ酸、トピナ®)
  • ペリアクチン®
  • プロプラノロール®
  • 漢方薬(呉茱萸湯、五苓散)

日本頭痛学会誌 46巻1号, 47-51

トピラマート(トピナ®)は、保険適応外使用となりますが、予防効果が非常に高い薬です。

ですので、保険適応の薬物を優先して使用しても、効果不十分の際に検討されます。

また、リボフラビン(ビタミンB2)、マグネシウムも子供の頭痛の予防に効果があり、副作用も少ないため非常に飲みやすいです。

トピラマート(トピナ®)は予防効果のエビデンスがとても高い.

JAMA Pediatr. 2013;167(3):250-258

リボフラビン(ビタミンB2)は頭痛予防薬としてエビデンスレベルが高い.

Prophylaxis of migraine headaches with riboflavin: A systematic review; J Clin Pharm Ther. 2017, Aug;42(4):394-403

リボフラビンは重篤な副作用がないく、小児の予防薬としても使用しやすい.

小児片頭痛の薬物療法について; 日本頭痛学会誌; 45: 36-38, 2018

 

子どもの頭痛は、お薬の飲むこと自体が大切かも?

前述のとおり、子どもの頭痛薬は種類が豊富です。

しかし、近年の大規模な研究では、『薬を飲むこと』だけで良くなるのかもしれない、という報告もあります

ですので、子どもの頭痛には、実は何の薬でも良く、極論、アメ玉でも良いのかもしれません。

エビデンスレベルの高いアミトリプチリン(トリプタノール®)やトピラマート(トピナ®)は、プラセボ群と比較して有用性に差が見られなかった.

これらの薬物が無効ではなく、プラセボ効果が高いことにより、その有用性が否定されてしまったと考えるべきであろう.

CAMP study; NEJM, 376: 115-124, 2017

 

朝起きられず不登校になる頭痛は、起立性調節障害かも?

朝しんどくて起きられれない場合は、“起立性調節障害(きりつせい・ちょうせつ・しょうがい)” を合併しているかもしれません。

子供の頭痛の少なくとも3割は、起立性調節障害を合併していると言われています。

この病気かどうかは、姿勢による血圧の検査をするとわかります。

起立性調節障害を合併している場合は、頭痛そのものの治療よりも、起立性調節障害の治療を優先して行った方が、症状が良くなりやすいです。

小児の頭痛で起立性調節障害を合併している割合は、32.4 – 52%

日本頭痛学会誌 46巻1号, 2020

起立性調節障害に共存する頭痛は、起立性調節障害の治療を優先して方が良い

日本頭痛学会誌 44巻:122-126, 2017

 

おなかが痛くなる頭痛もある

『腹部片頭痛(ふくぶ・へんずつう)』という頭痛があります。

これは名前のとおり、『お腹が痛くなって、頭も痛くなる』という頭痛です。

この時の腹痛は、吐き気を伴うことも多いです。

診断のためには、腹痛を繰り返す事が条件になりますが、この病気の存在を知っていると、1回目からでも疑うことはできます。

時々、大人の腹部片頭痛もお見かけします。

腹部片頭痛は、小児周期性症候群に分類され、腹痛発作を繰り返し、後に片頭痛に移行することが多い

国際頭痛分類第 3 版β版. 東京, 医学書院, 2014, p14

腹部片頭痛は、成人例も報告されているが、症例数が少ないためあまり認知されていない。そのため、診断や治療に難渋することがある

日本ペインクリニック学会誌 Vol.23 No.1, 2016

 

小児の頭痛は治療の選択肢が広いです。

また、薬を使わない治療、つまり生活指導も大切です。

関係性を築ける理解ある先生に巡り合えると良いですね。

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