ものが二重に見えるときは、脳腫瘍の除外・眼の腫瘍・免疫疾患の除外が必要です。
ものが二重に見える原因
- 目を動かす神経の麻痺
- 目の中に何かある
- 免疫の病気がある
ものが二重に見える時に、物理的に何かあれば、『眼を含めた脳のMRI』を撮影すればわかります。
免疫の病気は、種類は多いですが、確率は低く、『念のため除外する目的』で、血液検査を行います。
『腫瘍がある可能性が高い』との報告がありますが、『いろいろ検査した結果、原因は不明だった』という『特発性(とくはつせい)』も確率が高いです。
腫瘍が原因の場合は、眼の奥に腫瘍がある場合、脳の深いところに腫瘍がある場合、などがありますが、体のがんが脳に散らばった場合(がん性髄膜炎・髄膜癌腫症)のこともあります。
- 脳動脈瘤
- 硬膜動静脈瘻
- 脳腫瘍
- 外傷
- 頭蓋内圧亢進
- 免疫疾患
- 特発性
- 重症筋無力症
- サルコイドーシス
- ANCA関連
- 膠原病
- ベーチェット病
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ものが二重に見える病気の確率
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外転神経麻痺の原因は、脳腫瘍が多い
外転神経麻痺(225例)の原因:
- 腫瘍性 40%(90例)
- 特発性 13.3%(30例)
- 頭蓋内圧亢進 11.1%(25例)
- 外傷性 10.2%(23例)
- 感染症 6.2%(14例)
- 血管病 4.4%(10例)
- 炎症性 4%(9例)
- 手術合併症 0/9%(2例)
Mahoney NR: Benign recurrent sixth nerve palsies in children. Archives of Disease in Childhood, 94:394-396, 2009
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特発性外転神経麻痺は再発する
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特発性外転神経麻痺は、再発しやすいです
外転神経麻痺の再発率
特発性外転神経麻痺は再発率が高い( 5-16%が再発する).
Mahoney NR: Benign recurrent sixth nerve palsies in children. Archives of Disease in Childhood, 94:394-396, 2009
『ものが二重に見える原因』を知るには、造影MRIが必要
ものが二重に見える原因を調べるには、造影MRIを行って、脳腫瘍の有無をハッキリしないといけません
目を動かす神経が麻痺したとき、脳腫瘍がある可能性は高いです。
小さな脳腫瘍は、造影MRIで見つけます。
造影MRIをせずに、『原因不明の複視』という診断はできません。